男優位な社会は実は異常。今後の社会は男にとってピンチな社会となる。
私事ですが、先日6月に誕生日を迎えて28歳になりまして、そろそろ結婚も近いかな〜なんて気分になったのをきっかけにや「結婚」とか「家族」について調べてみました。
(ジャンルとしては社会学らしい。)
今回はその中で面白かった話をわかりやすくシェア。
あらすじを簡単に言うと、
という感じです。
これを読むと今の社会の成り立ちと今後の世の中の流れがわかるので、社会を俯瞰して見ることができて面白いです。
では話していきます。
日本の歴史をざっくりおさらい
日本の歴史は、ざっくり言うとこんな感じで流れてきました。
この中で、男女の力関係は
というように変化してきており、ずっと長い間男女平等だったところに、急に男性優位な時代が訪れ、そして現代になってまた元の形に戻っていっている、という感じです。
つまり歴史の長さで考えると、男優位な社会というのは異常な社会と言えます。
なぜそのように男女の力関係が変わっていったのかを理解するためには、どの時代においても
「人々がどうやって食べ物を確保していたのか」
というところに着目すると、その理由が見えてきます。
元々はずっと男女平等だった
古代〜平安くらいの時代、男女ともに農耕をしていた時代は、男女の力関係は平等でした。
男女ともに財産の所有権があったり、女性は好きな人と恋愛や結婚をすることができました。
このころ、食べ物を確保する手段は農業です。
村集落の中でみんなで農業をして、収穫した食べ物をみんなで分け合って暮らしていました。
農業は男でも女でもどちらでもできますし、性別によって生産力はさほど変わりません。
ですので、男性が女性よりも優位になる理由がなく、力関係は平等でした。
武士の世の中で男社会へと変わった
鎌倉時代から武士の世の中になると、男女の力関係は一変します。
その理由は、武士の世において血のつながりが重要視されたためでした。
詳しく説明していきます。
武士は農業をしませんので、食べ物を確保するために土地を手に入れ、そこで農民に農業をさせ、食べ物を納めさせて暮らしていました。
武士の奥さんは自分で食べ物を確保することができませんので、男性の経済力に頼るしかありませんでした。
ここで、男女の力関係の差が生まれました。
また、武士が土地を手に入れるためには、戦で手柄を上げ、その褒美として有力者から土地を分け与えてもらう、となります。
つまり武士にとって重要なことは、「戦が強い」ということでした。
そのため、武士が跡継ぎを作る際は、自分の子供が自分の血を引いているということが絶対条件でした。
その結果、武士の奥さんは絶対的に浮気を禁止され、家庭に縛り付けられることとなりました。
ちなみにその時代、もちろん戦争が無い期間もありましたが、そういう時においても血のつながりは重要でした。
戦争が無い時、武士の仕事は土地を管理する役人のような仕事でした。
そして、そのような「老中」「目付」「奉行」という役職は、家単位で任命されるため、その跡継ぎにおいても血のつながりが絶対的に重要でした。
このように血のつながりが重要となると、権力を保持するために結婚にも政治的な意味合いが含まれてきました。
そして、女性が結婚する相手は親に決められ、お見合い結婚が一般的となりました。
このような男優位な社会は武士や貴族から始まりましたが、農民も家単位で管理されるようになったため、徐々に庶民にも浸透していきました。
近代で完全に庶民に浸透
この男優位な社会は鎌倉以降も続きます。
明治時代においては民法でも家庭において男優位なことが保障されるなど、法律のバックアップも得て男社会は加速していきました。
ちなみに、女性が男性の姓を名乗るというのもこの時代に誕生したことです。
この時代は、現代に比べて自営業が多く、家単位で農業・商業・工業を営んでいました。
つまり、父は一家の主であるとともに、小さな会社の社長でもあったということです。
誰が何の仕事をするのか、どこに住むのか、誰と結婚するのかなど、。全ての権力を父が握っていました。
大規模工業が到来し力関係が変わった
18世紀にイギリスで誕生した工場制手工業が日本にも到来し、もはや1つの家で生産するような規模ではなく、会社が労働者を大量に雇って大規模に製品を生産するようになりました。
こうなると、これまで家業を継いで父の下で働いていた人々が、会社に就職することとなります。
そうなると
親父の言うことは聞かない!
となります。
それまで経済力を盾に権力を握っていた父の権力が崩壊しました。
また、会社にとって、よく働いてくれる労働者であれば労働者の血のつながりなんてどうでも良いことです。
ですので、家庭内での女性に対しての縛り付けも緩くなっていきました。
でもまだ社会は男社会が続いた
社会に大規模工業が到来し、男が握っていた権力が崩壊しても、まだ男女の力関係は平等とはなりませんでした。
その理由は、誕生した会社に男の権力が引き継がれたためでした。
これまで男性は家の中で女性に対して絶対的な権力を持っていたので、その価値観は変わらず
となり、社会での女性の地位はとても低いものとなりました。
その結果、女性は一人で生きられるほどの経済力を得ることができず、男性の経済力を頼りにするしかありませんでした。
高度経済成長期が訪れると、男性は経済力を強め一人で家庭を支えられる程となりました。
すると女性は
となり、専業主婦が増加しました。
このような「男は外で仕事をして、女性は家庭を守る」というのを性別分業と言い1970年代にピークとなりました。
共働き社会が到来した
高度経済成長期が終わり不況が到来すると、男一人の経済力だけでは家庭を支えきれなくなってきました。
この時、脱工業化が進みオフィスワークが増えていたこともあり、女性がパートに出ることが多くなりました。
また、少子高齢化による日本の経済力の低下を支えるために、国家的に女性の社会進出を促進しました。
これによって、女性が徐々に社会進出し、女性の待遇も徐々には改善されていきました。
ですが、それまで社会から女性を排除してきた日本社会は、すぐに女性の社会進出に対応できず、十分な経済力を見込めない女性が晩婚化するなど、課題も引き起こしました。
今後の社会はどうなっていくのか
このように歴史を見ていくと、男女の力関係は「人々がどのように経済力を保持しているのか」ということで説明できます。
男性が優位な社会は、男性の経済力が高く、女性はそれに頼るしかないという社会が形成されていました。
それでいくと、今後の社会における男女の力関係がある程度予想できます。
今後、女性の社会進出がさらに進み、男女の経済力の差はほとんどなくなるでしょう。
そうなると、もう家庭や社会において、男性優位となることはなくなります。
性別ではなく、純粋に能力で比較される社会となるでしょう。
現状の日本では不況が続いているため、個人の経済力が少ないことや、北欧のように育児に対する国家のサポートもないため、男女の力を合わせないと子供を育てることができない、という状況にあります。
そのため、女性は子育てのため男性の力を必要として結婚という手段を取っている、という見方もできます。
ですが今後、景気の回復やテクノロジーの進化によって男女が力を合わせなくても、女性だけの経済力で子供を育てることができるようになるでしょう。
もしそうなると、女性は経済力のために結婚する必要がなくなり、男性の種さえ手に入れられれば後は一人で子育てをしていく社会が来るかもしれません。
そのような社会においては、これまで経済力を提供することにより立場を保持していた男性が、経済力以外の新たな価値を女性に提供する必要が出てきます。
例えば、
などですね。
それができない男性は、女性と一緒にいることができない社会が来ます。
今これを読んでくださっている若者世代の方にとっては、全く他人事ではない話なので男性諸君は危機感を持ったほうが良いかもしれません。(僕も含め)
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