人間に寿命があるのはなぜか。老化は生物が獲得した機能だった。

2021年8月7日

今回は生物学的な話をしてみます。

「生き物にはなぜ老化や寿命があるのか」がテーマですが、哲学的な話ではありません。

 

人間は年を取って老化をして、そのうち寿命で死にます。

当たり前のことだからこそ、なぜ人には寿命があるのか?ということを疑問視して考える人が少ないように思います。

 

ですが、そこをあえて僕は考えてみました。
はい、変態だからです。

 

※僕は広く浅く色々な学問の面白いと思う部分だけをかじってますので、厳密に言うと違うとか独自の見解が入りすぎているとか、色々あると思いますが許してください。

老化する生き物と老化しない生き物がいる

green frog on persons hand

私たち人間にとって老化や寿命は当たり前ですが、実は老化や寿命の無い生き物もたくさん存在します。

例えば、

  • 海綿生物サンゴのような無脊椎動物や、多くの冷血動物(魚類や肥虫類)は老化しません。
  • また、大腸菌などの単細胞生物は老化や寿命がなく、何らかの要因で死ぬまで永遠に自分のクローンを生成し続けます。

このように、生き物全体でみると老化や寿命というのは決して当たり前ではないのです。

 

では、なぜ私たち人間など哺乳類を始めとする多くの生き物には老化や寿命があるのでしょうか。

単純に考えると、老化や寿命は生き物にとってリスクであり、無いほうが良いのではないか、と思ってしまいますよね。

その謎について考えていきます。

ちなみに自然界では老化や寿命で死ぬことなんて稀

cheetah lying on green grass during daytime

ちなみに老化や寿命がある生き物であっても、自然界では老化や寿命で死ぬなんてことはほぼありません。

その理由は、老化の兆候を示したり、寿命まで生きる前に、その他の原因で死んでしまうことがほとんどだからです。

例えば

  • 飢餓
  • 捕食
  • 感染症
  • 低温度など環境による要因

などです。

 

自然界では環境変化や天敵の存在が当たり前です。

ですので、この地球上で老化や寿命で悩んでいるのは、知能を獲得した人間と、その人間に保護されているペットやその他の動物、ということになります。

 

これらの生き物は、上で挙げたような死因を乗り越えられたために、老化や寿命という生命の限界に到達することができたと言えます。

まず老化ってどういうことなのか改めて整理

man in red shirt and black pants sitting on black and silver wheel chair

では、そもそも人間がどうやって生きているのかをおさらいしましょう。

 

人間は細胞が集まってできています。

ですが細胞は少したつと死んでしまうので、細胞分裂をして新しい細胞を作らないといけません。

 

そのために、細胞は血液から酸素や栄養素を受け取って、それにより細胞分裂を繰り返しています。

これにより人間は身体や生命を維持しているということです。

 

では、老化とは何かと言うと、この細胞分裂が徐々にできなくなっていことです。

細胞分裂ができない細胞が増えてしまうことで、生きていくための生理機能が徐々に衰え死んでしまう、というのが老化と寿命です。

ちなみに老化をもっと詳しく調べると

ちょっと難しい話になりますが、生物学による研究では、1つの細胞が細胞分裂できる回数はDNAで決まっており、細胞が分裂するたびに染色体のテロメアと呼ばれる部分が徐々に短くなっていくらしいです。

 

それがもう分裂できないくらい短くなると細胞分裂できず細胞が死ぬ、ということになり、これが老化であり寿命をもたらすようです。

 

そして、この細胞分裂は生物の代謝のスピードに関係しており、つまり心拍数が早い動物(ネズミ等小動物)のほうが寿命は短く、心拍数の遅い動物(カメ等)は寿命が長いことが知られています。

老化・命にもきっとそれなりの理由があるはず

Evolution, Development, Forward, Monkey, Human, Changes

色々と調べていると

「人間をはじめとする多くの生き物は、他の個体とDNAを交換するという機能により、自分に無い免疫や能力を獲得し様々なリスクに対抗できるようになった。だが、それと引き換えに老化や寿命に縛られることになった。」

というニュアンスの説明がされていることもあります。

 

ですが個人的には、このような何かを得たのだから、老化や寿命があるのは仕方ないことなのだ的な説明は納得いきません。

多くの生物が信じられないような多様な進化を遂げ、素晴らしい機能を獲得している中、ここだけ仕方なかったのだ、というのは腑に落ちないです。

 

DNAで他個体の良いとこどりをしつつ老化や寿命が無い、というパーフェクトな種になぜ進化できなかった?と思ってしまいますし、そうできなかった理由がわかりません。

ダーウィンの進化論を思い出すと

ここでダーウィンの進化論の内容を思い出すと、さらに老化や寿命に意味があるように思えてきます。

ダーウィンの進化論によると、長い歴史の中で生物は「突然変異」「適応」をの2つ繰り返して、今地球上に存在しているようです。

 

突然変異とは、種が繁殖を繰り返す中で、一定の少ない確率でそれまで無かったような特徴を持った個体が誕生することです。

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色素の少ないアルビノとかが有名ですよね。

 

そして、適応とは、ある特定の種において、環境が変化する中でその環境において有利な特徴を持った個体が徐々に増えていきその個体がその種の中で主な個体となることです。

 

つまり、ある種の中で一定の割合で突然変異は常に起こっており、突然変異で生まれた個体が、その環境に適していなかったらそのまま死んでいき、その環境により適していたら、徐々に新しい特徴を持った個体が増えていき、環境変化によって元々いた個体は死んでいく、ということです。

 

地球の歴史を長い目で見ると環境変化の連続でした。

その中で生き物は、突然変異と適応を繰り返して、その都度環境に適した種へと特徴を変化させながら今まで種を存続させてきた、と言えます。

 

そう考えると、今生きている生物が持っている特徴は、今の環境で生きていくために適した特徴であるはずです。

つまり、地球上で多くの生き物が持っていう老化や寿命という特徴においても、今の環境に適しているから、その特徴を持っている種が存続している、と考えられます。

生き物が老化や寿命を獲得した理由とは

man wearing maroon, white, and blue stripe long-sleeved shirt lifting up baby wearing gray onesie

ここまで長いお膳立てでしたが、やっと今回のメインとなる、生き物に老化や寿命がある理由について考えていきたいと思います。

 

ただ残念ながら、多くの生き物が老化や寿命を獲得した理由について、まだ学問的に立証されたり確定した結果があるわけではありません。

ですので、あくまで多くの研究者が仮説を立てている状況であり、私もそれらを参考にした仮説を話していきます。

 

生き物にもし、老化や寿命がなかったとしたらどうなるでしょうか。

ある種の生き物に老化や寿命がなければ、ある程度死因を乗り越えられた生き物はどんどんと無限に数を増やしていきます。

 

無限に数の増えた生き物は、消費する食料も無限に増えていきますので、食料となる種を食べ尽くしてしまうでしょう。

生態系の中である種が消えると、その種を天敵としていた種が大量発生するなど、生態系のバランスが崩れます。

 

そして、無限に増えた種も、それによって大量発生した種も、食料が絶滅してしまっていれば存続することはできません。

つまり、特定の種が数を増やし続けて、生態系のパランスが崩れると、その生態系全てを破壊してしまうということです。

 

CHECK

このため、寿命という命の限界を決めることで、種の数を一定に保ち生態系のバランスを維持しているのです。

 

さらに、老化に関して言うと、老化があることで、ある種集団には子供・大人・年寄りが混じることになります。

 

これによって、天敵に襲われた際に、能力の低い子供ばかりが襲われるのではなく年寄りも襲われることになります。

また、疫病が流行った際は体力の少ない子供と年寄りから先に死んでいきます。

それを見て残りの個体は感染しないように対策を打つことができます。

 

CHECK

このように、年寄りがリスクを分散させることによって、子供だけにリスクが集中しないようにして、種の絶滅リスクを減らしている、と言うことができます。

 

 

このように、人間に老化や寿命がある理由がわかれば、人間にとっての寿命は人間に課せられた罰である、等という宗教的な話や老化や寿命に対しての哲学的な話をまた違った角度から見ることができるようになります。

 

このように常識を疑うことや疑問視することで、目線が開けたり、より多角的に物事を理解できるようになる、というのが楽しくて仕方ないのです。変態ですね。

本記事の中で
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2021年8月7日

Posted by ぺりそん