【続報】老化と死の話の訂正。今の結論を整理
以前に2記事にわたって人間がなぜ老化するのか、またなぜ死ぬのか、ということについてお話してきました。
前回記事⇨【続報】すいません。老化することに特に理由なんてなかった。
前々回記事⇨(※続報あり)人間に寿命があるのはなぜか。老化は生物が獲得した機能だった。
ですが、それ関連の動画を見たことをきっかけにまたすこし思うことがあったので、改めてここで現在の結論を整理しておこうと思います。
ちなみにその動画はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=l_EEeD7wKOg
この動画で言っていたことが
なぜ生命は死ぬように設計されているのか。
それは、種の繁栄にそれが有利だったからである。
それぞれ種によって寿命が異なる理由も、その種にとってそのほうが生き残る確率が高かったからだ。
例えば、鮭や他の多くの生物において、産卵後エネルギーを使い切って死亡する種は多い。
しかし、それは自分が死ぬことで天敵から自分が狙われることになるため、自分の卵が生き残る確率が高くなるためだ。
それに対して、哺乳類の多くは産卵後もしばらく生きて子育てをする。
それはそのほうが子供の生存確率が大きいからだ。
そのように、種の繁栄のために死ぬタイミングがそれぞれに種で設計されている。
とあった。
これは最もな説でかなり納得できる。
しかしこの内容は、前回の記事で否定した「群選択」ということではないだろうか、と思った。
改めて群選択を検索すると
群選択とは、
- 生物は種の保存、維持、利益、繁栄のために行動する。あるいは生物の器官や行動はそのためにもっとも都合良くできていると言う概念。
- 自然選択は種や群れの間にもっとも強く働く。従って「利他的な」振る舞いをする個体が多い集団は存続しやすい。(1)の行動の進化に関する理論。
- 自然選択は生物の異なる階層で働くというマルチレベル選択説の一部。
とあった。
このあたりで、私が群選択を異なって理解していたかもしれないと気づいた。
群選択とは、その種がより繁栄するために死が設計されているということを否定するということではなく、
あくまで生きている間の生物の行動に関しての話かもしれないということだ。
つまり、前々回の記事で述べた
老化があることで、ある種集団には子供・大人・年寄りが混じることになるため、
天敵や疫病等に対して、年寄りがリスクを分散させることに役立っている。
これは群選択だから否定されてるよ!
というのは間違いだったかも、ということ。
この老化の説が正しいかどうかはおいておいたとしても、少なくとも種の繁栄のために死が設計されるということはあるということ。
その上で、前回の記事で書いた
今の人間の寿命の長さはたまたま。
というのも正しい。
前回の記事の繰り返しになるが、子育てを終えて子供が独り立ちした後は、種の繁栄のために寿命を伸ばす意味がない。
寿命を伸ばさないと種が生き残れないという状況にはならないため、寿命を伸ばそうとする方向に進化は働かない、となる。
生まれてからDNAが徐々に損傷し老化をもたらしたとしても、子育てを乗り切れるならそれ以上伸ばす必要はなかったということ。
そしてもし上で書いた老化のメリットの説が正しいのであれば、子育てを終えた人間はある程度老化していれば種のためにメリットをもたらすので、一部それも種の繁栄に貢献したかもしれないね、という感じ。
というところが今のところの人間と老化の死の結論。
老化研究はまだまだ研究途中なので、また新しい発見があったら随時更新していきます。
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